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by venuscolor
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ブラッド・ダイヤモンド

ブラッド・ダイヤモンド観て来ました。
前フリなしで感想いきましょう。



シエラレオネ ―。 この国を知っていましたか?
私は前職の関係で、知っていました。
そして、この国が内戦状態にあるということも、その時に知りました。
今日、映画を観て、それが現実にあるんだな… と、怖くなりました。

誰の目にも美しく輝くダイヤモンド。
しかし、その輝きの中には目を覆いたくなるほどの悲惨な出来事が
繰り返されているんです。
シエラレオネはダイヤモンドの産地。
それなのに、国としての輸出実績はほとんどなし。
それは、非合法的に密輸されているから。
そして、これには無数の罪なき人が犠牲になっている。
無差別に殺害され、ダイヤモンド発掘のための捕虜となり、
子供に殺人をさせる。
それが現実に起こっている国。シエラレオネ。
私は、前職にいる時、このシエラレオネの少年兵の話を
実際に職員の読み物で読みました。
その時のショックといったらなかった…
「コイツを殺さなかったら、自分が殺される。」
生きていくためには、人を殺すしかない。
そんな現実が、この国には未だ存在しているのです。

劇中にもこのことが出てきて、私は本当に怖くなりました。
親元からさらわれて、反政府組織として「人殺し」の訓練を受けさせられ、
そして自らを「親を捨てた男」とののしり、自分の親に銃口を向ける ―
キラキラと輝くダイヤモンドの裏側にある、とてつもなく恐ろしいこと。
実際劇中でも、片腕を失くした子供たちが出てきます。
これが現実。目を背けてはいけない。
イラクのことは連日のように報道されても、このことは私たちの耳に入ることが
ないのは、なぜなんだろう…

主役のディカプリオ、ここのところの彼の演技力はすばらしいです。
タイタニックの頃は、どこがいいのかさっぱりでしたが、
前作の「ディパーテッド」といい、今作といい、本当にすばらしい。
見事なまでの役者さんになったと思います。
今後の彼の作品が楽しみです。
また、残る主役2人のジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリーも
すばらしい。
ジャイモンは、演技をしているとは思えないほどの迫真ぶり。
ジェニファーは紅一点であり、その凛とした女性ぶりを如何なく発揮して、
ほんっとにかっこよかったです。美しい。

最後はもう、涙が止まりませんでした。
ダイヤモンドが生み出した悲劇。引き裂かれた家族。
何と表現していいか分からないほどのやるせなさだけが残る作品。

もちろん、きちんとしたルートで売買されているダイヤだってたくさんあります。
でも、その裏側にはこんな現実もあるんだということを
少し思い出してほしいです。

おススメ度 : ★★★★★
by venuscolor | 2007-04-29 18:17 | Movie & Drama